ジーパンが色落ちしたので染めてもらった

 

(承前)
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5年間履きまくって色落ちしたジーパンを、染め直しました。

 


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世の中には、染め替えサービスといって、個人客相手に染色を請け負ってくれる業者がいてくれるみたいです。

インターネットで「ジーパン  染める  業者」と調べたらいくつかホームページが出てきました。

 

ジーパンのみならず、ワンピースやTシャツ、バッグや帽子など、化学繊維でなければ相談次第で色んな衣服を染め直してくれるみたいで、お気に入りだけど色褪せてしまったアイテムや親から貰ったけど昔のデザインな洋服が生まれ変わってまた着られるようになるようです。

とても素敵なことだなと思いました。

 

ジーパンの染め直しは、ホームセンターにも染色材が売られていて自分で家でやる人もいるようだけど、せっかくなので業者に頼んでみることにしました。

業者の染料は、洗濯しても落ちにくいとのことだったので、そこも魅力的でした。

 

ただ衣類を染めるには、高温の液に浸ける過程を経る必要があるらしく、場合によっては縮みが生じたり、傷みがある生地はさらに傷みが進んだりするおそれもあるとのことでした。

僕のジーパンは修繕を重ねまくってきたので生地も傷んでいたし、業者の方に相談したメールでも、修繕部分がほつれる可能性があるなどと回答を受けたりしていましたが、まあ大丈夫っしょ、と思って染め替えを依頼しました。

また、刺繍糸などは科学繊維で作られているため、染まらずに色が浮き出るとも注意されましたが、まあ余裕っしょ、と思って依頼しました。

 

 

 

 

 

 

2週間かからないぐらいで染め直されたジーパンが届きました。


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これがbeforeです。


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beforeと比べるとだいぶ染まりました。

ただ、言われた通りに、股間やポケットの修繕して補強した部分の糸が染まらずに模様みたいになりました。


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まあ嫌だったら糸抜いてもらえばいいかなと思って放っておきました。

 

 


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また、もはや紺色のカラーパンツになったので、ジーパンだからこそ許されていた裾とかのほころびが許されない雰囲気になりました。

 


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ジーパンぽい雰囲気はありつつ、別なパンツという感じです。

まあもはやインディゴ染ではないですからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

2ヵ月ほど履いてみて、結論をいうとジーパンに関しては別に染めなくてよかったなというのが感想です。

 

染め替えの出来はとても素晴らしいものでした。

本当に最高のサービスを発見したと思います。

ただ、履き古したジーパンは染めるもんじゃないなと思いました。

 

ジーパンの色落ちを味のある経年変化だともてはやす人たちを、いや経年劣化でしょと蔑んでいたのですが、いざ振り切って全く色落ちしない染料で染め直してみたら、なんだか味気なくなってしまいました。

やっぱりジーパンは履いて色落ちしてなんぼだなって思ったし、ほころびができてなんぼだなって思いました。

ジーパンという衣服は、他のものにはない、独特の味があるのだと失って初めて思い知りました。

ジーパン紳士たちに謝りたいところです。

 

それに、染めてからガンガン履いていくのならいいのかもしれませんが、ガンガン履いて生地が傷んでから染め直して綺麗にしても、綺麗さと生地の古さがなんだかちぐはぐな感じがして、センスのないことをしたかなという気がしました。

 

また、色落ちしたジーパンはみすぼらしく映ると思っていたけど、そもそもジーパンは作業着だったんだから、きれいに履こうとすることに無理があるのだと気づきました。

ジーパンを上手に色落ちさせるためあんまり洗わない、というジーパン紳士のことを、色落ち云々の前に衣類であるという本質を見落とすな、洗え、と嘲っていたのだけど、僕もジーパンはそもそ作業着であるという本質を見落としていたようです。

色落ちジーパンで梅田とか行こうとするのがそもそもおかしいからな。

 

 

 

こうして数年にわたり悩んだジーパン色落ち問題は、ジーパンを染め直してもはやジーパンじゃなくしてみた結果、もう普通に色落ちしたらええやん、という考えに至りあっけなく解決しました。

 

 

そしてこのような結論に本当に納得したのは、久しぶりに会った友達が履いてたジーパンが普通にかっこよかったからです。

 

先日、後輩と二人でバイクで、新潟にいる友達に会いに行ったのですが、待ち合わせ場所にふらっと現れたその友達は、よく馴染んだビルケンシュトックのサンダルと、界隈では人気の岡山の国産ジーンズを履き、柔らかく着心地の良さそうなTシャツを一枚さらっと着た格好でした。

 

僕がその友達のことを尊敬しているという面もあるのですが、普通にかっこよ、って思いました。

そして僕が、そのジーパン知ってるよ、という旨を指摘すると、友達は、「これ最初は毛羽立っててふわふわだったんだけどな、洗ってたらいつの間にか無くなってた!」とあっけらかんと笑っていました。

それを聞いて僕はジーパンってごちゃごちゃ考えるもんじゃないなと思いました。

 

 

 

 

 

というわけで今となっては、ここ数年どうでもいいことを考えて時間を遣ったなと思っているのですが、しかし、記念に作ってもらった思い入れのあるジーパンを身につけるということがいつの間にか僕のアイデンティティーとなってしまっていたのだから、どんな服とも合わせてそればっかり履いていたいと思ってあれこれ考えてしまったことは仕方ないのです。

 

この前後輩と飲んでいて人のプライドの話になったとき、後輩は「プライドって本当に邪魔ですよね」と言っていたのですが、そこに僕も付け加えさせてもらうとすれば、生きる上でアイデンティティーというものも相当邪魔です。

 

しかしながら、ロースクールの二年間やたら主張の強い面々と触れ合っているうちに思い至ったことをあえて言わせてもらえば、プライドとアイデンティティー、どちらかひとつでも感じられない人は一緒にいてもつまらないと思うのです。

 

 

 

 

 

ぜひ皆さんもどうでもいいことで悩みましょう。

 

 

人間だもの。

 

 

end

 

 

 

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