司法試験浪人生活3ヶ月目
※コーヒーの下りがしばらく続きますが本編とは何も関係ありません。
お湯を入れてカップを温めておきます。
フィルターとドリッパーは1 ~2 人用。
適当なスプーンで入れてるので粉の量はアバウトです。
でも一杯分だけのドリップはちょっと多目に粉を入れないと美味しく淹れられないことに気づいたので、多目に入れてます。
ちなみにドリッパーも温めておいた方が美味しく入ることにも気づきました。
最初に粉を湿らせる程度にお湯を注ぎしばらく待ち、蒸らします(約30 秒間)。
全体を満遍なく湿らせるとか、中心に百円玉程度の円を描くように湯を注ぐとか、お湯をそっとのせるだけとか、参考にしたサイトによって表現が違いましたが、いずれにせよこの蒸らしのために注ぐお湯の量は、数滴ポタポタと落ちる程度らしいです。
この最初に落ちる一滴はファーストドリップといって、コーヒーを淹れる過程のうち最も美味しい部分らしいです。
まあ一滴も落ちてないんですけどね。
蒸らしが終わったら、中心からひらがなの「の」を描くように湯を注いでいきます。
フィルターにかからないように、豆を暴れさせないように、優しく。
細く均一に注ぐためには専用のコーヒーポットが必要なのですが、百均で買った急須に急須スキッターという便利小物を差して代用しています。
「コーヒーポット 代用」と検索して出てきたこちらのブログを真似しました。ありがとうございます。
急須スキッターをつかったらプロ並みのコーヒードリップ技術が手に入った : 和田珈琲
インターネットにはあらゆる生活の知恵がたくさん詰まっています。
生活のふとした不便をインターネットで検索すると、同じような不便を感じていた人たちが解決の知恵をたくさん置いてくれているので、僕は密かにインターネットのことを知の集結と崇めています。
ヤフー知恵袋の回答者が何であんなナチュラルにタメ口なのかは、謎です。
急須スキッターは、楽天のほうが安いです。
片手でカメラレンズをパタパタと遮るスマホカバーを押さえながら親指を駆使してシャッターボタンをタップしようと必死になって、注意が散漫になったもう一方の手でわたわたとフィルターに湯をかけていると、虚しさが込み上げてきます。
後輩が好意で席をくれた自習室の給湯室で、勉強もせずにカシャカシャと不審な挙動をしているのです。
もっとも「現代社会に生きる国民は全て、不特定多数者の閲覧に供する目的で自己の私生活上の行動を逐一写真撮影し、これらの画像を加工し又は自己の私生活の充実を明示若しくは黙示する説明若しくはこれに準ずる文言等を付し速やかにインターネット上にアップロードする義務を負」うことが最近判例により明らかになったので、頑張って撮りました。
最後の一滴は入れちゃダメなんだそうです。
雑味があるからだそうです。
たまにクリティカルに美味しいコーヒーが入るのですが、その時はとても満ち足りた気分になります。
今回は虚しくなったのでダメです。
~司法試験浪人生活3 ヶ月目~
朝は目覚ましをかけないで、目が覚めた時間に起きます。だいたい8時間ぐらいで起きます。ノンストレスです。
最近は起きる時刻をコントロールできるようになってきました。6時起きも可能です。ノンストレス早起きです。
一方で勉強の方はあまりノンストレスじゃありません。
もう合格発表から2ヵ月半が経とうというのに、成果が乏しいです。
浪人を経験してみて初めて知りましたが、単純に現役のときに蓄えた知識に上乗せできるものではないみたいです。
4ヵ月のブランクは大きく、取り戻せていない感じがいつまでも拭えず焦りを感じます。
浪人はするべきではないなと思います。
確かに、去年は全くやらなかった過去問検討をするようなったり、趣旨規範本を採り入れたり、進歩してるなという実感があります。とくに過去問を2時間で一生懸命最後まで答案作成して、採点実感を見ながら修正をしていくという作業をやらなかった去年はむしろ何もしていなかったと同じだなと思っています。
しかし、そういうのも受験勉強という枠の中での進歩にすぎないなと思うと、ああ人生の無駄足踏んでるなと思います。
ロースクールに在籍し司法試験合格を目指すための生活というのは、普通の人からすると引くらしいです。
「朝は8時とか9時とかに自習室に行って、夜は9時とか10時とかに帰ります、その間まあずっと集中出来てる訳じゃないですけど、勉強してますね、家は基本的に寝るためだけの場所なんで、あんまり家にはいないですね、土日とかもあんま関係なく同じです」
という説明を何度もしてきたけど、まあ毎日そのとおり出来てたら受かってると思うけど、基本的には勉強しかしてない生活、しかもこんだけやって若さと金を費やしても受かる保障もないのだから、「うわぁ~、へ~・・・」という反応をされても当然だと思っていました。
でも周りが皆そうだったから、辛いけどそういうもんだろうと普通に受け入れていました。なんなら、むしろ尊いことをやっているとさえ思っていたかもしれません。
しかし、そうやってひたすら勉強だけするという環境を一緒に作っていた友人達が受かって、周りからいなくなり、この生活を過去のものとし始めると、急に今のこの勉強するしかない状況が、恥ずかしくなるというか、何をしてるんだろうというか、胸を張れないというか、ただの無駄足を踏んでるだけだなと、性質が変わりました。書いてて気づいたけど、過去を生きているんですね。
赤信号、皆で渡れば怖くない、たとえ2tトラックが迫っていても。
でもいつの間にか周りにいたはずの赤信号無視仲間はみんな渡りきっていて、車道でへらへらしてるのは一人だけだと気づいた時、車道は普通に危険だし、2tトラックは超怖いです。
先日、ひとり食堂でお盆を抱えながら小鉢を選んでいて、うわあ食堂のサラダ、年々量減ってきてるなぁと思った時、ああこの一年は無駄だと感じました。
受験は延長してもなにも意味ないし、ガッと集中すべきときに集中してさっさと終わらせる以外に正解はないと思います。
さっさと終わらせるべきだった現役の試験間近、僕は何をしていたかというと、ミニマリストのことを調べていました。
やたらがらんとした自室の画像をインターネット上で不特定多数の閲覧に供しまくっているあのミニマリストです。
試験が近くても全然集中していませんでした。集中したくてミニマリストのことを調べたのか、ミニマリストが興味深すぎて集中できなかったのかは覚えていませんが、皆一生懸命勉強している自習室で、僕は集中していませんでした。
そして今、僕の部屋にはベッドがない(捨てた)。
朝、がらんとした部屋でパチッと目が覚めるのは気持ちいいです。
気持ちいいですが、代償が大きい。
そんな感じで今2年目があるので、youtube観てたらいつの間にか日が暮れてて一日をどぶに捨てた日の、結局頑張れないんだなあというイライラと落ち込みはすごいです。
(youtubeを観るときは必ず東京03のコントかサンドウィッチマンのコントから始まります。)
先日、後輩にラインで今日一日無駄にしちゃったんだけどどうしたらいいかなとすがったら、筋トレしてさっさと寝るといいですよ、と返ってきました。
筋トレせずにランニングで代えて寝ました。
ストレスをためる一方で多くの方に感謝しています。
先輩やOBの方が辛いときは食事でもしよう、連絡してくれと言ってくれました。お世話になった先生に不合格を報告するメールを送った時は、普段は「受からなかったらどうなるかわかってんだろうな」と脅してきてたのにとても温かい返信をくださったし、友人たちはわからないところを聞くととても丁寧に議論してくれるし、ロー時代のバイト先がまた温かく雇ってくれるし、実家から米とりんごが送られてくるし、その段ボールの隙間にパスタソースとか缶詰とか食料がパンパンに詰められているのを見て泣きました。泣いてませんが
先日はバイト先の方からめっちゃ果物をいただきました。
朝ごはんは数日間バナナとキウイとミカンと柿とリンゴになりました。
ちなみに同じタイミングで実家からりんごが送り込まれてきたので、学校から帰るとリンゴを剥いて食うという時間もプラスされました。
今度は真剣に勉強して受からないとなと思います。
来年の5月の本番は緊張で泣くかもしれませんが、頑張りたいです。
※本記事には随所に現役時代ちゃんと勉強してたら受かってたというニュアンスが見て取れますが、本当に受かっていたのか否かはデリケートな部分ですので、流しておいていただければ幸いです。