司法試験合格しました

 

 ありがとうございます。一年の浪人を経て二回目で合格しました。本当にありがとうございます。

 

 

 8月31日から発表前日の9月9日まで9泊10日の東北旅行に行っておりました。

 神戸に戻る帰りの飛行機では「ああ、いよいよ現実と対面か」と思っていました。

 帰ってきた日、つまり前日、そのまま一緒に浪人生活をともにしてきた友人と二人で飲みました。内容は、落ちてしまったときの打ち合わせです。

 でもいくら打ち合わせをしてもだめです。発表当日は生きた心地がしませんでした。まあ言うて午前中はそれなりに余裕があるので家の掃除をしてました。クイックルワイパーをかけて床をピカピカにしてました。まあこれは落ちた去年もやったんですけどね。

 午後1時半ぐらいに、「昼飯、自分で作って食お」と思い立って、学部時代に買った料理本を書棚から引っ張り出して、「塩焼きそば作ろ」と思って材料をメモして、のそのそとコープに出かけました。コープについたら「なんでこんな日に自炊するん」という気分になって、適当にうどんと小松菜とえのきと鶏肉を買って帰り創味のつゆで煮込んだら超美味しいうどんになりました。

 午後2時半を過ぎてから変な汗が出始めました。フローリングの床の木目を意味もなく指でなぞっていました。YouTubeで好きな東京03のコントを観てたんですが、観ながら自分で「今おれ、頑張って観てんな」と思ってました。

 ていうか曲がりなりにもファンならYouTubeなんかで観ないでDVD買うとか公演行けよとかあると思いますが、それは、ほんとにすみません。DVDを買ったり、他にも好きなアーティストの曲はレンタル屋で借りるよりはCDを買ったり、読みたい小説はメルカリとかじゃなく書店で買ったり、電化製品もアマゾンじゃなく電器屋で買ったり、喜んでくれる人が多そうな方法で入手するという豊かさを得たいものですが。

 話が逸れましたが、午後3時台はあっという間に過ぎました。4時になる20分ぐらい前に、「あッ、旅行に着ていったジャケット、洗濯せな」と思い立ちました。一応ジャケットなので、おしゃれ着洗いの洗剤で、手洗いをしないといけないのです。落ちたらそんなことする気分には一生なれないと思って、今急いでせな!と思って手洗いを始めました。

 手洗いを終えて、びちゃびちゃとしずくを撒き散らしながら洗濯ネットに入れて、洗濯機で脱水をかけました。自動で止まるまで脱水を続けては型崩れが起きるかもしれないので、途中で停止を押すのですが、脱水中は安全のため洗濯機の蓋にロックがかかっていて、停止してからもしばらくそのロックが解除されないんですね。ぼんやりと洗濯機の前で立っていて、ロック解除のピーピーという音で我に返って取り出してハンガーに丁寧に干し、軽く伸ばしてシワをとっていたら4時が数分過ぎていたので、「うぃっしょお!」と掛け声を出して法務省のホームページにアクセスしました。まあ、自分でもあえてギリギリに洗濯したのは、「発表なんか大したことない、日常生活の延長線上で見たる」みたいな精一杯の防御なんだよな、というのはわかっていましたが。

 サーバが重くてなかなか番号が表示されない待ち時間は、まだ結果を見ないで済む、という安心をもたらした一方、こんなの甘い毒やでと思っていました。

 ようやく大阪受験会場が表示され始めたので、ゆっくりとタブレットの画面をスクロールしようと思ったら、指が震えていたのでうっかりスルッとスクロールしてしまったのですが、スルッと自分の番号が画面を通りました。

 「あ、よっしゃ」と思わず言いました。同時に、あ、この世界ってこういうことしてくれんだ、と思いました。頑張った、ちゃんと向きあった、つらい思いをした、それでも番号を用意してくれない、ということを普通にやるのがこの世界かと思っていたので、え、ほんまですか?と思いました。

 一緒に勉強してきた友人も受かっていて、嬉しかったのですが、いまいち自分が受かってるのか疑わしさが拭えないので、「え、おれの番号ある?ある?確認して」と何度も言いました。

 お互いに確認して友人が「言わしてもらうわ、ほんまにありがとうな」と言ったとき、僕が今まで何度も妄想したシーンはそこでまさかのこの僕が涙ぐんで涙で何も言えねえ、みたいな感動シーンなんですが、実際は、え、受かったんかとぼんやりしてたので涙ぐみませんでした。でも近年では初めての心からのありがとうを言えたと思います。

 

 そこからたくさんの人に合格の報告をしました。自分が受かったことより合格の報告をできることの方が嬉しかったです。

 驚いたのが、去年受かっていた友人たちが、とても喜んでくれたように感じたことでした。M山君には、修習中にもかかわらず浮かれて電話をかけてしまって申し訳なかったのですが、彼は終わって折返しかけてきてくれてそのまま40分も喋ってしまいました。(ちなみにこの機に修習の情報を得ようと思ったのですがM山君は修習に関して情弱だったので有意義な情報は40分間喋ってほとんど得られませんでした。)

 たしかに、僕が嬉しいのは、自分と、今年一緒に勉強した友人が二人で受かったことです。どちらか落ちていたら片方にとって、喜びの気持ちは生まれていなかったかもしれません。

 そういう意味で、去年受かった友人たちには、去年落ちてしまった僕は随分水を差したのかもしれないなと、一年後にようやく気づきました。友人たちに合格を報告できてよかったです。

 

 発表後も、特にはしゃぎたい気持ちは全く起こりません。ただ、朝起きて、ああもう自習室に行かなくていいんだと安心し、外を歩いていて、ああ葉っぱって、こんなに緑色だったんだなとは思います。

 

 修習に関してはわからないことがたくさんあるので、色々尋ねてしまうかもしれませんがどうか皆さん教えてください。

 

追記

 受かったらやりたいことがあったのを忘れてました。

 使ってたボールペンの紹介です。

 

トンボ鉛筆 水性ボールペン ZOOM505 META ヘアラインブラック BW-LZB14

トンボ鉛筆 水性ボールペン ZOOM505 META ヘアラインブラック BW-LZB14

 

 

 トンボのZOOM505です。水性ボールペンです。

 喜んでくれる人が多そうな方法で買ってください。