すっぴん!が終わる。

 すっぴん!という、NHKのラジオ番組がとても好きだったのだけど、来週で終わるらしい。まじかよと思った。

 月曜から金曜、朝8時30分から昼の11時50分ぐらいまで放送している。アンカーを務める藤井彩子アナウンサーの声がめっちゃ好きだったし、曜日ごとに変わるパーソナリティのうち麒麟川島明が担当する木曜日が好きだった。大学4年生からロースクール、司法試験浪人時代という僕の生産性皆無時代を支えてくれた番組だった。世の人が最も生産性高く活動しているはずの午前の時間に、のそのそと家で聴いていた。浪人時代の一番の楽しみは木曜日9時台の日本一早い!大喜利コーナーだった。ようやく社会に接点を持つことができた今は、休日にたまにNHK聞き逃しサービスで聴いくぐらいになってしまったが、それでもいつでも聴けるものと思っていた。そんなすっぴん!が8年間の放送を来週で終えるんだそうだ。まじかよ。時代は流れるのかよ。寂しさを感じる。

 

 という、フォローしていたものが終わってしまう経験を、たぶん初めてした。

 

 「若い頃、○○っていうグループがおってな。」

 という語り口で、父や母の世代は自分たちの青春時代を象徴したアイドルやグループのことを話す。その象徴やらなんやらが解散だか引退だか発表した時のことを思いだしているかのような遠い目をしがちである。

 僕にとってのそういう遠い目をする対象になるのは、ミスチルが解散を発表する時なんだろうなと思っていた。中学生のときぐらいからそう思っている。

 だからこれまで生きてきながら、アイドルの卒業発表とか、バンドの解散とかに触れるたびに、ファンは寂しかろうなと思う反面、僕にとってはまだ先の話やんね。と思っていた。そしたら今回思いがけずフォローしていたものが終わる経験をしてしまった。

 

 フォローしていたものが終わる経験、世の中の人はもっとしているのだろうか。

 しているに違いない、世の中にはテレビドラマがあるから。特に大河ドラマの最終回を重ねている人は猛者だろう。ナルトの最終回を読んだジャンプ勢も猛者に思えてきた。

 自分にももっとあるはずだ、フォローしていたものが終わる経験。

 そういえば阪急そばが閉店した時があるな。

 

 フォローしているものが終わる経験を健全に重ねながら、みんな時間の流れを感じて生きていくんだろう。

 僕にはいまだに浪人時代の止まった時間感覚が抜けないときがあるんだよ。